オリーブオイルはイタリア料理、スペイン料理、ギリシャ料理、トルコ料理などに欠かせません。
わたしも大好きで、このサイトのレシピでもよく使っています。
ですが、オリーブオイルの製造過程で鳥たちが大量に殺されてしまうのを知っていますか。
この記事では、なぜそうなるのか、どうしたらいいかについてまとめました。
目次
アンダルシアで毎年260万羽の鳥が死んでいる
2019年5月16日の「インディペンデント」の記事にはこう書かれています。
オリーブオイルと鳥、一見何の関係もなさそうですが、なぜこんなにたくさんの鳥たちが殺されるのでしょう。
それは、収穫方法にあります。
冬場、膨大な数の鳥たちが北欧から地中海地方に飛んできます。
鳥たちは夜の間、オリーブの木に止まって休みます。
その時期とオリーブの収穫の時期が重なるのです。
近年のオリーブオイルブームによって、急激な増産を迫られた生産者は、夜間に強い照明を当てながら大型の機械でオリーブの実を収穫します。
夜間に収穫を行うのは、オリーブの風味を保つためだそうです。
鳥たちはその強烈な光に目がくらんで方向感覚を失い、機械に吸い込まれて命を落としていくというのです。
「ネイチャー」(2019年5月7日)の記事によると、スペインのアンダルシア州政府はこの収穫方式の規制に乗り出しましたが、同じやり方を採用しているポルトガル、フランス、イタリアではまだのようです。
鳥を殺さない方法はあるのか
脱搾取を目指すヴィーガンとしては、このようなやり方で収穫されたオリーブで作られたオイルを使うわけにはいきません。
オリーブオイルを使わないという選択肢もありますし、こだわりがない方はそれもいいと思います。
ですが、オリーブオイルは多くの地域で日常的に使われており、世界中にファンもいます。
鳥を殺さずに生産することはできないのでしょうか。
専門家によれば、日中収穫すればこうした事態は防げるといいます。
ですのでわたしたちは、安価な大量生産オリーブオイルを避けて、日中手摘みで収穫されたオイルを買うようにすればいいのです。
どのオリーブオイルを選ぶ?
そこで、「手摘み」と表記されているオリーブオイルを調べてみました。
当然ながらどれも高価です。
その中で、入手しやすく比較的手ごろな価格の、アルチェネロとサルバーニョのオーガニックエキストラバージンオイルを紹介しておきます。
日本語の説明では「手摘み」と描いてありましたが、本社サイトでは商品展開が違ったので、問い合わせてみました。
すると丁寧な返事が来て、夜間に機械による収穫は行っておらず、日中手摘みで収穫していますとのことでした。
なので、これは安心です。
他には、個人農園で小規模に栽培していて「手摘み」と掻いてあるものは大丈夫だと思います。
念のため問い合わせるのがいいでしょう。
わたしはサルバーニョのオイルも好きです。
日本語の説明ではわかりにくいですが、イタリア本社のホームページでは有機栽培、手摘み、低温圧縮と書いてあり、良質なオイルへのこだわりと熱意が伝わってきます。
プラントベースで栄養バランスと健康を考えれば、オイルを大量に使うのはよくありません。
基本的に油分はナッツを中心に摂取し、オイルはごく少量使う方式がベストです。
それを考えると、多少値段は張っても生き物に配慮して丁寧に作られた製品を使うのがいいと思います。
「消費行動は投票と同じ」を意識しましょう。