日本ではバジルソースと呼ばれているバジルのペーストは、イタリアでは pesto genovese (ペスト・ジェノヴェーゼ)といいます。
そして他のイタリア料理と同様、「かくあるべし」というさまざまな決まりごとがあるのです。
「本物の」ペスト・ジェノヴェーゼの伝統的なレシピは、次の7つの材料によって構成されます。
- D.O.P(原産地名称保護制度)によって指定されたバジルの葉
- エクストラバージンオリーブオイル(リヴィエラ産)
- パルミジャーノ・レッジャーノ(認定チーズ)
- ペコリーノ(羊のチーズ)
- 松の実
- にんにく
- 塩
伝統的なレシピでは、これらを決まった順番に従って乳鉢で潰していきます。
今ではブレンダーで作る人が多いかもしれませんが、手で潰すのがやっぱり一番といいます。
伝統的なペストジェノヴェーゼの定義に照らすと、ヴィーガンバージョンはよくて「ジェノバ風ペースト」でしかありません。
ですがそれでも十分おいしいですし、パスタだけでなくパンに塗ったりスープに入れたりなどして楽しめます。
わたしは長らくただチーズを抜いて作っていましたが、今回イタリアのヴィーガンレシピを調べてみると、ヴィーガンバージョンの「かくあるべし」が熱心に議論されていました。
論点はニュートリショナルイーストという非伝統的なものを許容するかどうか、チーズをどのナッツで代用すべきかです。
チーズの代わりに何をどういう配合で使うかはそれぞれですが、わたしはカシューナッツとニュートリショナルイーストを控えめに使ったものが好みです。
瓶に小分けして冷凍しておくといつでも使えて便利ですよ。
万能バジルソースのレシピ
準備30分 調理3分
材料
- 生バジル 100g
- エクストラバージンオイル 60g
- 松の実 20g
- にんにく 2~3片
- カシューナッツ 60g
- ニュートリショナルイースト 20g
- 塩 小さじ2
準備
バジルをやさしく洗ってざるに上げ、よく水気を切る。
茎の部分を取りながら、布巾で押さえるようにして葉っぱを丁寧に拭く。
手順
- フードプロセッサーにナッツ類とにんにくを入れ、よく砕く。
- バジルを加えて回し、少しずつオリーブオイルを加えていく。
- 塩とニュートリショナルイーストを加えてさらに回し、滑らかなペーストにする。
- 小さな瓶に小分けしてすぐ使う分以外は冷凍する。
メモ
- バジルがたくさん手に入ったときに作っておくと便利です。
- オーガニックのエクストラバージンオリーブオイルは、フルーティーな香りで価格も手ごろなサルバーニョが好きです(コールドプレス、手摘み)。
献立のヒント
献立のヒント
ゆでたパスタに絡めるのもいいですが、その他にも野菜にかけたり、スープにかけたりもします。
実家の両親はベランダでバジルを栽培して夏にジェノヴェーゼをたくさん作り、毎朝パンに塗って食べていました。